進路・資格・就職について

卒業生の声 - 榮 恭子さん

進路・資格・就職アドバイス

榮 恭子さん

  夏が終わり、季節が秋へと移り変わっていくこの時期は、進路・就職に関する不安や悩みを抱く3年次生、4年次生も多いことと思います。
  「就職に関し、学生時代にやるべきことは何か」との問に、私は「社会人としての教養を身に着ける準備をすること」であると考えます。それは、何も特別なことではなく、学部の講義やゼミでの演習、課外活動といったごく当たり前の学生生活を通じ、出身も様々な人たちとの関わりの中で自然と身についていくものではないでしょうか。専門分野の研究に励むのはもちろん重要ですが、大学で学んだ知識が社会に出てすぐに使えるわけではありません。法学部の学生であれば、法律資格をめざす方も多いでしょうが、資格の取得だけを目的とすべきではないと思っています。

  私は"就職氷河期"と呼ばれた時代に大学を卒業したひとりですが、現在は、都内にある社会保険労務士事務所に勤務しています。
  社会保険労務士という資格は、昨今の"年金記録問題"により知名度が上がったとはいえ、一般にはあまり馴染みのない士業のように思います。企業の労働保険(失業・労災)・社会保険(健康保険・年金)の手続きを事業主に代わって行うことや、労務管理に関する相談に応じることが仕事です。直接の顧客は企業ですが、会社を通じて、個々の労働者やその家族が生涯にわたり安心して社会生活を営んでいく為のお手伝いをしているともいえます。また、行政との間に立っては、法令遵守の調整役として力を発揮していますし、職場の労使間紛争に介入していくこともこれからの重要な役割です。
  まだ駆け出しですが、私もいつか頼りにされる存在になりたいと、日々の業務に向き合っています。

  私は学生時代、社会保障法のゼミナールを通じて、社会のセーフティネットを広げ、弱い立場の人たちを守りたいという思いから、民間企業ではない組織で活動する道を選びました。その中で感じたことは、「身近な法律家」の存在を必要としている人が世の中にたくさんいること、以前から頭の片隅にあった、社会保険労務士の資格が再び浮上してきました。
  これまでの道のりは、決して順調なものとは言えませんでしたが、振り返ってみると、その延長上に今の自分があるのだと気付きます。そして今後、専門資格を活かしていくには、社会経験や人生経験の積み重ねが重要であると実感しています。

  現在も、若者の就業には厳しい状況があるようですし、雇用形態の多様化で、選択肢は広がったように見えても、将来像が描きにくいという課題を抱えています。「仕事」や「職場」に抱くイメージと、現実とのギャップに戸惑う人も多いようですが、私は「働く」とは「社会に恩返しをする」こと、社会の中で「自分の役割を果たす」ことだと大きく捉えるようにしています。その点、「社会貢献」と「自己の成長」を実感できる"士業"は、法学部生にとっては馴染みやすい職業と言えるかもしれません。

  就職活動を進めるにあたって大事なのは、はじめから自分を型にはめてしまわないこと。企業は、新卒者に即戦力など求めていないはず。柔軟な思考と前向きに取り組む意欲を持っているか、今後の成長に期待して採用するのです。強烈な個性はなくとも、人と協調できる、人に好かれる人物を求めているのだと思います。そして、大学の教育課程には、そのメソッドが詰まっています。まずは、「社会のために自分に何ができるか」振り返り、一歩を踏み出してみてください。

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