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現代の道州制・連邦制問題を考える―講演会と国際シンポジウムについての報告

  2009年秋に法学研究所と共同研究グループ「比較連邦制研究会」(略称)が共催し、神奈川県が後援する「現代の道州制・連邦制問題を考える」と題する講演会と国際シンポジウムが本学のセレスト・ホールで開催され、盛況の裡に終了したので、この場をかりて簡単にご報告をさせていただきたい。
  現在わが国では道州制をめぐる問題が、分権改革の問題と関連しながら広く論議されている。やや聞きなれないかもしれないが、道州制とは現在の都道府県制を再編して、国を10~12ほどの広域行政体に分け、それぞれに「道」の名称を与えて(関東道、近畿道など)新しい政治・行政の形を作ることを意味している。それによって、これまで国がもっていた多く講演会当日の様子の権限を道以下の自治体に移し、住民に身近な行政を作るとともに、国は国だけが行使できる権限(外交、安全保障、国の経済政策、社会保障のナショナル・ミニマム政策など)をもつようにして、全体として大規模な分権改革を行なうことが目指されている。
  このような改革は実は先進民主主義諸国で共通の課題として存在しており、特にヨーロッパでは州や地域圏の創設と改編を通じて多くの改革が実現し、また現在も進行中である。そこにはわが国の改革でも参考にしうる新しい構想や制度、実際の運営事例も数多くみられるところである。そこで今回上記の二団体は、この問題の認識を深めるとともに、そのような課題が存在していることを、本学の学生だけでなく広く一般の市民の方々にも知っていただくために、「現代の道州制・連邦制問題を考える」と題する講演会と国際シンポジウムを開催した次第である。
松沢成文神奈川県知事  全体は二部構成とし、第一部は、道州制の早くからの提唱者であり、推進者でもある神奈川県の松沢成文知事をお招きして、10月15日に「私の道州制構想」と題するご講演をいただいた。内容としては、道州制の意味とそれをめぐる議論の経緯を踏まえた上で、同知事の独自の連邦制構想を語っていただいた。特に広域の道という行政体による経済の自立と立法権・政策の自立が強調されたところであり、また目下話題の通称「禁煙条例」が広域の行政対象をもつことで実効的になるという指摘は、首肯する向きも多かったろう。
国際シンポジウム  第二部は、11月5日に「先進民主主義諸国における地方分権改革―『地域化』と道州制」と題する国際シンポジウムを、6カ国を対象とする比較・検討を行なう形で開催した。ご招待した研究者は、アメリカのレヴィ教授(カンザス大学)、ドイツのアイセル教授(ギーセン大学)、イタリアのフサーロ教授(フィレンツェ大学)、スペインのカスティーヤ教授、韓国のパーク教授(韓国産業技術大学)であり、これに本学の後藤教授(法学部)を加えて、筆者の司会の下で活発な討論を進めた。今回はわが国でも初めてといってよいテーマでの国際シンポジウムであり、また会場の参加者もこの問題での初歩者が多かったので、各報告者からはそれぞれの国の分権改革の概要を紹介していただくにとどめたが、その内実は各国の歴史、制度、政治文化を反映して実に多彩であり、きわめて興味深いものであるとともに、またわが国の分権改革の難しさを改めて浮き彫りにするものともなった。ディスカッションは休憩を挟んで4時間以上に及んだが、最後に市民の方々を含めた活発な質疑応答がなされ、法学研究所所長の安達教授が総括を行なって全体の討議を終了した。なお以上の第一部、第二部の内容は、法学研究所が発行する『法学研究所年報』に掲載される予定である。今回の講演会と国際シンポジウムは、このテーマでの初回の試みとしては成功したと考えており、わが国の分権改革が進展をみた時点で再度開催することを予定している。後協力をいただいた関係者の方々、とりわけ困難なテーマで見事な(同時)通訳を行なっていただいた中嶋寛氏、小沼順子氏、古山真紀子氏には、この場をかりて再度厚く御礼を申し上げたい。
  なお翌日は、一行箱根保養所にて一泊の親善旅行を行い、大いに歓談が盛り上がったことを付記しておこう。


現代の道州制・連邦制問題を考える 講演会と国際シンポジウム


主催:神奈川大学「講演会と国際シンポジウム」実行委員会(神奈川大学法学研究所・道州制共同研究会)
後援:神奈川県 共催:神奈川大学法学会

第1回 2009年10月15日(木)
講演会「私の道州制構想」
講演者 : 松沢 成文氏(神奈川県知事)
時 間 : 13:30~14:30
場 所 : 神奈川大学セレストホール


第2回 2009年11月5日(木)国際シンポジウム
「先進民主主義諸国における地方分権改革 ─『地域化』と道州制」(通訳付)

パネリスト:リチャード・E・レヴィ氏(カンザス大学/アメリカ)
ホセ・M・カスティーア氏(バルセロナ大学/スペイン)
カルロ・フサーロ氏(フィレンツェ大学/イタリア)
ディーター・アイセル氏(ギーセン大学/ドイツ)
サン・チュル・パーク氏(韓国産業技術大学/韓国)
後藤 仁(神奈川大学法学部教授)
司会:山田 徹(神奈川大学法学部教授)
時間:13:00~17:00
場所:神奈川大学セレストホール

   
 
現代の道州制・連邦制を考える告知ポスター
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