警察官実務特修Ⅲでは、神奈川県警察本部刑事総務課の北村輝樹警部から被疑者の取調べと人権擁護についての講演がありました。
今回は、被疑者の人権を尊重しながら供述の任意性を確保することが、被疑者の取調べにおいて最も重要であるということをお話しいただくとともに、警察官が作成する供述調書の意義および供述調書の作成要領についても学びました。また、これまでの冤罪事件として、石川県氷見事件、鹿児島県志布志事件等の過去の事例から、「被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則(平成20年国家公安委員会規則第4号)」が定められ、被疑者取調べに当たっては、やむを得ない場合を除き、身体に接触すること、直接又は間接に有形力を行使すること。便宜を供与し、人の尊厳を著しく害するような言動をすることなどの6項目の監督対象行為について解説していただきました。
学生からは、「警察官は、冤罪事件が発生した背景を踏まえて、監督対象行為を守り、任意性を確保することを念頭において、慎重な捜査を日々行っていることを学ぶことができた。講義を通じて、捜査において重要な要素やそのやり方、過去の経験から二度と冤罪を生まないという気持ちが伝わってきて、改めて警察官は魅力のある仕事であると思った。実務の現場の方から話を聞くことができて貴重な経験ができた。」との声が寄せられました。